歌と筋トレと私
「筋トレと声楽って、関係あるの?」
そう思う方も多いかもしれません。
実際、私も昔は「筋肉を鍛えることと、声を出すことって別物でしょ」と思っていました。
歌うための筋肉は、歌いながら鍛えれば十分。
むしろ、体が硬くなるのは歌に良くないんじゃない?とすら思っていたんです。
でも、歌い続ける中で少しずつ実感してきました。
身体を鍛えることが、声の出し方や安定感に大きく影響しているって。
今日は、そんな「声楽と筋トレの関係」について、私自身の体験も交えながら書いてみようと思います。
「支え」って、どこで支えてるの?
声楽のレッスンでよく聞く「支え」。
この“支え”って何かと言うと、実は体の奥にある筋肉たちのことなんですよね。
たとえば…
- 横隔膜(膜と名前にありますが、れっきとした筋肉!)
- 腹筋群(腹横筋、腹斜筋など)
- 背筋(脊柱起立筋、広背筋など)
- 骨盤底筋(体の底から声を支える重要な筋肉)
これらの筋肉を使って、呼吸をコントロールしたり、声を支えたり、音程を安定させたりしています。
つまり、良い声を出すには、全身の筋肉が必要不可欠なんですね。
筋トレで声が変わる?そのメリット
実際に筋肉を鍛えることで、声にはこんな変化がありました。
① 支えが安定する
体幹(インナーマッスル)が強くなると、発声の「土台」がしっかりします。
声がブレにくくなり、長時間歌っても疲れにくくなりました。
② 呼吸が深くなる
横隔膜や肋間筋がしっかり動くようになると、深く息が吸えるように。
ロングトーンやフレーズのコントロールが格段に楽になります。
③ 姿勢が整う
背筋や骨盤まわりの筋肉が整うことで、自然に姿勢が安定し、声の響きが変わってきます。
私の筋トレ体験談:マシンで“筋肉スイッチ”発見!
私は今、ジムに通ってマシンを使った筋トレをしています。
家ではなかなか続かないタイプなので、ジムに行ってしまえば「もうやるしかない!」という感じで(笑)
最初は、マシンで背筋を鍛えていても、どこを使っているのかまったく分かりませんでした。
背中の筋肉って、自分で動かしてる感覚がないんですよね。
でも、「今、ここに効いてるはず」と意識しながら反復すること1年半ほど。
だんだんと、背筋の内側・外側といった“ポイント”がわかるようになってきました。
その“筋肉スイッチ”が入る感覚を、発声にも応用できるようになったんです。
背筋や腹筋、骨盤底筋などを意識的に使うことで、歌っているときの体の使い方が変わってきたのを実感しています。
私は、ゆるーくですが背筋・腹筋・胸・下半身を日ごとに分けて鍛えています。
部位ごとにトレーニングすることで、今まで意識できていなかった体のパーツにも注意が向くようになりました。
歌は「体が楽器」
私は筋肉の専門家ではないので、うまく言葉にできない部分もあるのですが…
ざっくりまとめると、
「体を使って歌っているつもりだった」
→ 「筋トレをして筋肉のスイッチが入るようになった」
→ 「そのスイッチを発声に活かせるようになった」
という感じです。
最近、私の音楽仲間でも筋トレをしている人が増えてきた気がします。
歌は、体そのものが楽器。
たった2cmほどの声帯を、全身の筋肉で支えてコントロールしている。
そう思うと、ちょっと――いや、かなりすごいことをしてると思いませんか?
おわりに
「筋トレで声が変わる」というと、意外に感じる方もいるかもしれません。
でも実際に体を動かしてみると、声にダイレクトに影響してくるのを感じます。
声に悩んでいる方、壁を感じている方こそ、一度“身体作り”にも目を向けてみてほしいなと思います。
ハードな筋トレをする必要はありません。
自分の体と向き合いながら、少しずつ動かしていくことで、声がもっと自由に、のびのびと出せるようになりますよ。
私に筋トレを勧めてくれたテノールの友人に感謝を!
